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『さるかに合戦』(紅版)/イラスト:pako 先生

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ご投稿ありがとうございます!皆様からいただいたストーリーのご紹介です。

お名前(ニックネーム) : 福山

露天風呂に旅行に来ていた猿は、酔った他の客に絡まれてしまいました。
困っていたところに、宿主の親蟹が駆けつけて助けてくれたのです。
親蟹の強さとプロ意識にいたく感動した猿は、宿で働かせてもらえるよう、頼み込みました。

「酒を出す宿の人間は皆、酔っ払いをなだめる術を身に付けるべきだ」という
親蟹の方針で、猿は未来の女将である子蟹とともに、
武術を身に着けてゆくのでした。

宿で日々修行を続ける猿でしたが、やがて反抗期を迎え、
世話になっている親蟹へのどうしようもない苛立ちと、感謝の気持ちの狭間で
葛藤する日々が続きました。

ある夜突然ホームシックにかかった猿は、止める親蟹と大喧嘩の末、
宿を飛び出すのでした。
事情を聞いた子蟹たちは、慌てて猿の後を追うことにしました。

今や猿は看板番頭であり、猿目当てのお客様も宿を多く訪れるほどなのです。
逃がすわけにはいきませんでした。

夜道で道に迷っていた猿は、追いついた臼たちに対し、
鬼気迫る勢いで道を尋ねるのでした。

猿の気迫に押された牛糞たちは一生懸命道を教えますが、
実は方向音痴だった猿にはなかなか伝わりません。
朝日が東の空から顔を覗かせる頃まで説明は続きましたが、
結局猿に現在地を分からせることすらできませんでした。

とりあえず川沿いに歩く、と飛び跳ねながら主張する猿を見かねた子蟹が、
町へ向かう道は反対の左だと猿を怒鳴りつけました。

太陽が昇り始めるまで子蟹との喧嘩を続けた猿は突然、
子蟹の太刀筋が、かつて自分を助けてくれた親蟹の太刀筋とそっくりなことに気付き、
当時の自分が親蟹に感じた想いを、改めて思い出すのでした。

猿は唐突に、それまで突っ張っていた自分がばかばかしくなり、
そしてだんだんと穏やかな気持ちになっていくのを感じました。
徹夜で動き回った猿は、親蟹の優しさを思い出しながら、
疲れ果ててその場で眠りに落ちたのです。
それを見た同じく徹夜明けの子蟹や臼たちは、
立派に成長した猿を抱えて宿に戻ることを考え、呆然とするのでした。

めでたし、めでたし。

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